平安女学院は、米国聖公会から派遣された創立者のミス・エレン・Ｇ・エディによって1875年に大阪の川口居留地で「エディの学校」としてその歴史の第一歩を踏み出しました。そして1895年にこの京都の地に移転してきました。以来、キリスト教精神に基づく人格教育を通して、様々な社会課題に対応できる知恵と勇気を身につけた女性の育成に力を注いできました。
大学は2000年に設置され、建学の精神を「知性を広げ、望みを高くし、感受性を豊かにし、そして神を知らせる」とし、キリスト教の精神に基づく教育を通して、自由で自立した人格を形成するとともに、地域社会ならびに国際社会に積極的に貢献する人材を養成することを目的としています。

社会に貢献できるとは人の役に立つということです。
自分にしかできない社会貢献とは何かを大学生活を通して見つけてください。
あなたが考えている夢は、今は社会貢献とは関係ないと思われるかもしれませんが、この平安女学院大学を卒業する頃には、不思議なことにそれができるようになっていると信じております。

大学は、高校までと異なって、自律的に自分で学ぶことを基本にしています。
好きな科目を好きなだけ履修することができます。
そこに大学の魅力があります。
勉強が好きな人はなかなかいませんし、好きなことを勉強するなんていうことはないと思うかもしれませんが、趣味など、自分の好きなことには夢中になって、色々と調べることは苦にならないハズです。たとえば、好きな芸能人や好きなアニメのことは一生懸命に調べると思いますが、それは勉強しているのと同じことです。
好きなことを学問的に深く掘り下げていくのが大学の勉強・学修活動です。

好きなことがまだ何か分からない人は、平安女学院大学で好きなことを見つけましょう。例えば、芸術・アート活動を好きになったとしましょう。絵画・音楽・身体表現などの芸術には調和のとれた美しさがあります。古典的な芸術は人類が永年にわたって美しさを追求してきた歴史があり、完成された美があります。人は美しいものに惹かれます。どのような美しさに惹かれるかは、個々の感性や豊かな感受性に委ねられていますが、では、その美しさはどこからくるのか、なぜ美しいか、を知りたくなることでしょう。

芸術・アートがなぜ美しいかは、すでに科学的に解明されています。たとえば音楽は、和音の響きが美しいのは、物理的に音の周波数の調和ということが分かっています。絵画も色・光の周波数が関係していますし、モノの形についても美しく見える黄金比があることが分かっています。芸術的なこと、アート的なことを科学的に理解したからといって、必ずしもよりよい芸術が生まれるわけではありませんが、なぜそうなのか、と考えて、それを追究することは大切なことです。ものを知り始めた子どものように、つねになぜ？と考えるし習慣を身につけましょう。

調和された美はなぜ美しいかを科学的に知ると、より美しいものをどうすれば作り出すことができるかと、少し高望みをして考えることができるようになります。例えば少しだけ和音をハズしてみると、新しい響きが聞こえてきます。少しずつ変化させて最終的には既存のものから大きくはずれたことによって新しい音楽、新しい芸術が生まれてくるということがおこります。つまり新しいことは、まったく新しいわけではなく、すでにあるものを少しずつ変化させていくこと、その積み重ねによってうまれてくると考えることができます。

せっかく大学で学ぶのですから、人に押し付けられて勉強するのではく、いろいろな科目や大学生活を通して、自分が好きな事を見つけてください。そのことについては一生懸命になれるので、ますますのめり込んでいくかもしれません。そしてそれはあなたの得意分野、強みとして定着していきます。

その強みは、あなただけのものになり、あなたの個性になります。そういう強みのある自分のことはきっと好きになるでしょう。好きなことを好きなだけとことん追求する自分を好きになると、それがどのようなものであれ、将来イメージは自ずと見えてきます。

そうすると、自分だけではなく、周りの人にも強みのあることが分かります。
自分の強みを好きなれる人は、ほかの人それぞれの強みも好きなることが出来ます。

それは、多様性を認めるということでもあります。
自分の強みを好きであるとい強い気持ちが根底にあると、人の強みを好きなる気持ちは揺らぎません。
これは、自分を愛し、隣人を愛する、というキリスト教精神につながります。
おのずと社会貢献が出来る人材となっていて、どのような分野職種であれ、夢を叶えることができるようになっていることでしょう。

大学はその夢を実現するための一過程と考えてください。
本学において、夢は見るものではなく、実現するものです。
夢を実現するという望みのために、毎日少しずつ知性を広げ、新しい感受性を身につけて、明日は今日とちがった自分になることを、これから毎日少しずつ積み重ねていってください。

平安女学院大学の教職員は、学生ひとりひとりと向き合って、皆さんの良い面がより良い方向に延びて、強みとなるように支援することをお約束します。
そして、自分で自分の成長を促すことができるように支援します。
どうぞ、４年後には今日とちがった自分になっていることを想像して、大学生活を楽しいものとしてください。