生成AI(ChatGPT等)を活用するためのガイドライン

平安女学院大学
学長 谷口 吉弘

生成AI(ChatGPT等)を活用するためのガイドライン

新聞やニュースでご存じの通りChatGPTなど、まるで人間の作文のように進化した生成AIが登場し、驚きとともに各方面で話題となっています。このような状況下、7月4日に文部科学省より初等中等教育の現場に向けたガイドライン(※1)が示されました。本学ではレポートや卒業論文作成にあたり、倫理的観点から適切に判断したうえで生成AIを活用し、学習活動の効果を向上させるため、以下の通り本学のガイドラインを示します。

  1. みなさんのレポートなどの作成にあたり、教員が生成AIの利用を禁止したにも関わらず、その指示に従わず生成AIを用いた場合は、不正となるので注意してください。

  2. 生成AIの回答には、誤りが含まれる可能性が高く、その信頼性について判断を誤る恐れがあります。学生のみなさんは、生成AIが提示した回答が正しいか誤りなのか、みなさん自身でその真偽を確かめて使うよう、習慣づけてください。

  3. 生成AIは他人の著作権等の権利を侵害している場合があるため、みなさんが生成AIの成果物を自らの作品として発表した場合、他者の権利を侵害し、社会的な責任が問われる恐れがある点に注意してください。特に画像・動画・音楽等は、インターネット上の著作物をAIが勝手に学習して生成するため、注意が必要です。

  4. 生成AIはみなさんの質問(「プロンプト」と言います)で学習しています。このため未発表や個人の機密情報を生成AIに入力すると、それら機密とすべき情報がAIによって再利用されて流出する恐れがあります。このため、本学においても文部科学省ガイドラインのセキュリティポリシー(※2)に従い、生成AIのアプリ画面で、入力した質問がAIに学習されないような設定をして使うようにすることを推奨します。

大学は知識を得るだけではなく、考え方や論理の組み立て方を学ぶ場でもあります。生成AIは、この瞬間も目まぐるしく進歩しており、とても効率的に知識の収集を可能としています。しかし、その便利さゆえに大学教育にとって一番大切な「思考力を養う」機会を失わないように、学生のみなさんは気を付けましょう。

以上

※1 文部科学省『初等中等教育段階における生成 AI の利用に関する暫定的なガイドライン』,令和5年7月4日
※2 文部科学省「4.その他の重要な留意点(1)個⼈情報やプライバシーに関する情報の保護の観点」『初等中等教育段階における生成 AI の利用に関する暫定的なガイドライン』P.10
リンク:初等中等教育段階における生成 AI の利用に関する暫定的なガイドライン